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子どもの作文は、直しすぎない方がいい?|「自分のことば」を残すという考え方

Sep 13
5 min read

子どもが作文を書いたあと、大人が読むと、いろいろ気になるところが出てきます。

漢字が違う。文が長い。同じことばが何度も出てくる。もっと詳しく書けそう。この言い方より、こっちの方がきれい。

つい、直してあげたくなることもあると思います。

もちろん、間違いを教えることが必要な場面もあります。

でも私は、子どもの作文を読むとき、直すことを急ぎすぎないことも大切だと思っています。


まず見たいのは、「何を書いたか」より「何を伝えたかったか」


子どもの作文には、その子が見たもの、感じたこと、覚えていること、言いたかったことが入っています。

でも、書き方がまだうまく整っていないと、大人はつい文章の形に目がいきます。

たとえば、

「すごくびっくりして、なんか変な感じだった。」

こんな一文があったとします。

大人から見ると、

「“なんか変な感じ”って、もっと詳しく書いた方がいいかな」

と思うかもしれません。

でも、その前に、

「どんなところが変な感じだったの?」

と聞いてみる。

すると、

「うれしいのに、ちょっとこわかった」

「みんな見てたから、恥ずかしかった」

「思ってたのと違った」

そんな、その子にしか言えないことばが出てくることがあります。

大人が先に文章を整えてしまうより、その子の中にあることばをもう少し待ってみる。

私は、そこを大事にしています。


大人の文章にしない


子どもの作文を直しているうちに、気づいたら大人の文章になっていた。

これは、よくあることです。

たとえば、

「めっちゃ楽しかった」

を、

「とても楽しい時間を過ごしました」

に変えれば、文章としては整うかもしれません。

でも、その子が本当に言いたかったのは、「めっちゃ楽しかった」なのかもしれません。

もちろん、場面によっては表現を学ぶことも大切です。

でも毎回、大人らしい文章に置き換えてしまうと、子どもはだんだん、

「自分のことばより、正しいことばを書かないといけない」

と思うようになることがあります。

作文は、きれいな文章を作る練習だけではありません。

自分が感じたことを、自分のことばで表してみること。

その感覚は、できるだけ残してあげたいと思っています。


直す前に、「ここ、いいね」を伝える


子どもが作文を見せてくれたとき、

「ここ、漢字違うよ」

「この文、変だよ」

から始まると、子どもにとって作文はすぐに「直されるもの」になります。

でも、

「このところ、すごくそのときの様子がわかるね」

「このことば、面白いね」

「ここ、好きだな」

そんな一言から始まると、受け取り方が変わります。

「自分の書いたものを読んでもらえた」

という感覚が先に来るからです。

私は、作文を見るとき、まず間違いを探す人ではなく、最初の読者になることを大切にしています。


直すなら、全部ではなく「今はここ」


誤字脱字、助詞、文のつながり、語彙、構成。

作文には、直そうと思えばいくらでも直せるところがあります。

でも、一度に全部を直されたら、子どもにとっては、

「こんなにダメだったんだ」

という感覚になってしまうこともあります。

だから、

「今日はここだけ」

と決めるのも一つです。

たとえば、

「今日は句読点だけ見てみよう」

「この一文だけ、もう少しわかりやすくできるかな」

「この気持ちをもう一つことばにしてみよう」

そんなふうに、今その子に必要なことを一つだけ取り出す。

すると、作文が「直される時間」ではなく、少しずつ表現を増やす時間になります。


書き直さない、という選択もある


私は、子どもが書いた作文を、毎回きれいに清書し直さなくてもいいと思っています。

そのときの日本語、そのときの考え方、そのときの表現。

あとから見返したときに、

「この頃はこんな書き方をしていたんだ」

とわかることにも価値があります。

文章が成長していく過程そのものが、その子の記録です。

だから、少し間違っていても、少し不器用でも、

そのときのことばをそのまま残す。

そんな作文があってもいいと思っています。


「正しい文章」より「自分で書いた文章」


もちろん、学校の課題や受験など、正確さが必要な場面もあります。

でも、いつでも最初から正しさを優先しなくてもいい。

自分で考えて、自分でことばを選んで、自分で書いた。

その経験の積み重ねが、

「書いてみよう」

という気持ちにつながります。

上手に書けるようになる前に、まずは、

自分のことばで書いていい。

そう思えることが大切です。


大人ができること


子どもの作文を読むとき、大人ができるのは、全部を正すことだけではありません。

その子が何を伝えたかったのかを聞く。

面白いところを見つける。

その子らしいことばを残す。

今必要なことを一つだけ伝える。

そして、

「読んだよ」

「ここ、いいね」

と返す。

それだけでも、次の「書いてみよう」につながります。

作文は、完成した文章だけを見るものではありません。

その子が、自分のことばを見つけていく過程そのもの。

だから私は、直すことより先に、そのことばを受け取ることを大切にしています。



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